全体配置計画
基本的な考え方
津波や高潮による影響を防ぐために、埋立地は海岸線から約200mの内陸側で、その他、管理棟、浸出水処理設備、積込施設等は津波や高潮の想定高さよりも高い場所に設置します。また、停電時でも排水ポンプや浸出水処理施設が稼働できるよう、非常用電源を設置します。管理棟と浸出水処理設備は隣接して設置し、効率的な管理を行います。
設置する施設
岸壁施設:船舶で運搬した廃棄物を荷揚げする施設。
積込施設:廃棄物の検査をしたり、埋立地まで運搬する車両に積み込んだりする施設。
浸出水調整設備:埋立地から出た浸出水を一時的に貯めておく設備。
防災調整池:廃棄物に触れていない雨水を一時的に貯留し、放流するための設備。
遮水工
基本的な考え方
法律で定められた遮水工(二重遮水シート+保護マット)に加えて、ベントナイトシートを設置します。ベントナイトシートはベントナイトと高密度ポリエチレンの複合構造で、万一、遮水シートが破損した場合でも、ベントナイトが膨潤して浸出水の拡散を防止することができます。さらに、シートの破損箇所が特定できる電気的漏水検知システムを設置し、迅速に修復できる体制を整えることで安全性を確保します。なお、遮水シートと保護マットは日本遮水工協会で認定された製品を使用します。
遮水工の構造
電気的漏水検知システム
万一、遮水シートが破損した場合、電気的漏水検知システムを用いて破損箇所を特定することができます。使用する検知システムは、検出精度や耐久性に優れ、最終処分場で十分な使用実績があるものとします。
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遮水シートの耐久性
遮水シートは太陽光線、熱、オゾン、酸、アルカリ等に対して少なくとも50年以上の耐久性を有していることが認められています(※)。本計画では、埋め立て開始から廃棄物が安定化して廃止するまでの期間は約40年程度であり、十分な耐久性があります。
※ 平成15年10月27日福岡高裁判例
浸出水処理施設
浸出水処理の流れ
埋立地の浸出水は浸出水処理設備で処理した後、処理水に異常がないことを確認して海へ放流します。浸出水処理設備は浸出水を法律に基づく排水基準値よりもさらに厳しい、当社が設定した自主管理基準値以下まで処理する性能を有しています。
処理水が放流される前には処理水の汚れ具合の指標となるCOD・SS(濁度を計測して換算)・T-N・T-P・pHを連続計測し、処理施設の運転状況を常時監視します。さらに排水基準項目について、放流水の公定法分析によるモニタリングを法律に基づく頻度よりも高頻度(1ヶ月に1回以上)で行います。処理水の連続計測値に異常が見られた場合には直ちに処理水の放流を中止して浸出水調整設備へ返送し、その間に原因調査と対策を講じるシステムとなっています。
SS(懸濁物質):水中に浮遊して溶解しない物質の総称。
T-N(総窒素):水中に含まれる全ての窒素化合物。
T-P(総リン):水中に含まれる全てのリン化合物。
処理水排出量の比較
計画している処理水の最大放流量は、赤穂市内の事業所が放流する総量のわずか0.1%程度です。
出典:赤穂市ホームページの環境保全協定履行状況(H22,23年度)、赤穂市地域防災計画(H19.3)、赤穂市ごみ処理基本計画(H24.3)を基に作成
浸出水処理設備
浸出水の処理方法として、凝集沈殿処理、生物処理、消毒処理等の一般的な処理に加え、安全性を高めるために高度処理(活性炭処理、キレート処理)を採用します。
キレート:有害な金属イオンを補足し(キレート結合)不活性化する働き。